活動>視機能障害認定のあり方に関する研究班への要望書
視機能障害認定のあり方に関する研究班
山本修一様
研究班員各位
みんなで勝ち取る眼球困難フロンティアの会(G-frontier)
代表立川くるみ
研究班の先生方には新たな認定に向けての調査研究に当たってくださり、感謝申し上げます。
この度この手紙を差し上げますのは以下の要望をお願いするためです。
視覚障害者当時者の実態により即したものにするため、VFQなどの、生活シーン別に視機能活用能力が測れるものを積極的に取り入れて調査にあたっていただきたい。
私ども「眼球使用困難症」(以下PDES)は光への極度の過敏性やまぶたをおもうように開閉できないといった障がいから今現在視覚障害福祉からはほぼ完全に取り残されています。
それは数値などで表せる検査が存在しないことに大きく起因しているものと私は考えます。しかしながら精神疾患や、肢体ふじゆうの診断書様式ではそれぞれの生活シーンでどのように困るかといった項目があり、視覚障がいよりずっと生活実態を反映する形になっています。
私たちPDESの多くは脳機能障害であり、主に体全体に症状が現れる線維筋痛症や慢性疲労症候群の痛みや倦怠感とPDESの光過敏(羞明)は非常に性質が似ています。
例えば調子の良い時はけっこう動ける・使えるのですが、たとえそれがその時のげんかいと感じるレベルでなくとも翌日や数日後からそのダメージが現れ、数日から数週間、下手をすると数ヶ月苦しむことになり、最悪は元に戻らず悪化したままになるということです。
これは火事場の馬鹿力がいつでも出せるようなもので、本来健常な人間というのは、限界を超えることをできないようになっているもので、それはいわば、自身の体をガードする機能が正常に働いているといえます。
ところが私たちPDESや先にあげた脳機能障害患者にはその保護機能がなく、例えば極めてデリケートな内臓をいつも外に出しているかのごとく、その部位を守って生活することを余儀なくされているのです。しかも限界がどこまでかはその時にはすぐにわからないのです。
しかし、人間にとって目は使えるものならギリギリまで使いたい器官です。それはローにジョン者が手帳1級レベルにまで陥っても白杖や画面読み上げ機能を使いたがらない人もいることからご理解いただけると思います。にも関わらず、目を使わないようにするということはどれほど苦痛が大きいか想像に難くないのではないでしょうか?実際PDES患者の多くが常時痛みに苦しめられ、視覚機能以外の集中力も削がれています。
また、結果的に「できる」だけに注目すると、視機能活用能力の尺度を測ることは困難です。
盲人スキルを身につけた人たちは私含め、自分より視機能が使える人たちよりも、結果的に「できる」ことも増えてしまうからです。
例えばパソコンスキルなどは私がこのように画面読み絵が機能を使って長文が打ててしまうように、IT機器に疎い晴眼者以上に使えてしまうものです。
しかし、その実態は目を使った作業よりもずっと手間と知識、そして時間が必要になり、晴眼者が本気を出して習得したらたちまち負けてしまいます。
また、vfqの優れているところは生活しーん別の問診になっているところです。私の症状を例にあげますと、私は止まっている光を視点移動なく眺めることは比較的用意なため、視力検査はできてしまいます。しかし、動く光で耐え難い苦痛が生じるため、生活シーンの多くで目を開けることができなくなってしまいます。
このようにシーン別で視機能が著しく変化する患者もおり、視力視野障害者が訴える夜盲や羞明も同様と思います。
以上のことから、当時者の生活実態・視機能活用能力を的確に反映する形での調査・研究を是非ともお願い申し上げます。
なお、当会のチラシを同封させていただきますこと御容赦ください。
2019年6月18日