1.当会について

はじめに

眼球使用困難症(PDES~A syndrome of persistent difficulty in opening the eyes)とは高度の光過敏や眼痛などで眼を使うのが困難な症候群を言います。しかし、現在、国から視覚障害として認められているのは視力・視野の障害に限られており、医学界や行政、世間に視力・視野以外の視覚障害で重度の者がいることは殆ど知られていませんでした。
そこで、2017年2月に井上眼科名誉院長である若倉雅登医師が『眼球使用困難症(候群)」を提唱、患者達に呼びかけ、同年9月に『眼球使用困難症と闘う友の会』が発足しました。

当会代表の私立川くるみは、若倉医師の呼びかけに応じ、同会の社会活動部部長として会を牽引してきましたが、2018年8月9日付けで同職を退任、より自由な活動を求め、2018年8月16日に新たに当会を発足しました。

若倉医師によるネットコラム「ヨミドクター」に掲載された記事抜粋

 

『目がいいのに使えない「眼球使用困難症」の方、患者友の会に集合を!』

 弱い光の下でも眼痛、頭痛をはじめ全身の症状が出現するので、二重にサングラスを装用し、帽子を深くかぶり、中には、光を通しにくい布地を顔に何重にも巻いたり、袋を 被かぶ ったりと完全防御の状態でしか通院できない症例もあります。こうした重度の症例は、私の外来には少なくとも10例は存在し、こうした病態は決して珍しいことではないことがわかったのです。
その原因はさまざまでも、この状態を「眼球使用困難症」と呼びたいと考えています。おそらく、大半の症例は、無理やり測れば視力などは正常に記録されるでしょうが、日常生活の上では目を当たり前に使用することは困難ですから、明確な視覚障害者です。  このコラムでもたびたび取り上げてきた 眼瞼けいれんという病気で、このような症状はよく経験します。他にも、
頭頸部外傷後遺症、各種脳症の後遺症など、原因はさまざまです。このことに気付いた症例報告や研究論文も、近頃は散見されるようになってきました。

以上抜粋おわり

このコラムで紹介されている眼球使用困難症(候群)の代表疾患眼瞼けいれん(ジストニア)の他にも線維筋痛症、筋痛性脳脊髄炎(慢性疲労症候群)、脳脊髄液減少症、発達障害、円錐角膜、ベンゾジアゼピン系薬物をはじめとする向精神病薬の副作用・離脱症状、ドパミン作動薬、HPVワクチン・コロナワクチン、レーシックや白内障手術、感染症、外傷誘発性のものなどがあります。このように病名・原因は様々あり、一つの疾患名ではありません。

  

眼球使用困難症を取り巻く問題

現在、身体障害者福祉法で定められている視覚障害は視力・視野障害に限られており、それ以外の理由により、視機能に多大な支障をきたしても障害者手帳取得の道が閉ざされています。

障害年金においては一部の患者が障害手当金、よくても3級取得の道があるものの、症状の重い患者でもこの等級となっており、重症患者には理不尽な状況となっています。

しかし、現在、国から視覚障害者として認められている障害者は白杖を使い始めるのがおおむね手帳2級以上、画面読み上げソフトを使い始めるのは1級まで視機能が落ちてからのケースが多く、その点から見ても、屋外から出られない者や白杖・画面読み上げソフトが必要なほどの眼球使用困難症患者が障害者手帳を取得できず、年金3級以下というのは視力・視野の視覚障害と比べて大変不平等と言えます。

また、それらを使う必要がないとしても、眼球使用困難症の多くが帽子やサングラスを着用し、読書や就労困難な状況を考えれば、白杖レベルの重症者でなくとも手帳や年金の恩恵にあずかる権利を主張することは至極当然と言えます。


◯当事者体験談mixi『眼球使用困難症」自己紹介トピック

◯若倉医師らによる論文「眼球使用困難症候群としての眼瞼痙攣」(2019年3月27日更新)

沿革

2017年1月厚労省で視覚認定見直し検討会開催。そこで若倉医師による『眼球使用困難症と闘う友の会』への呼びかけ開始。わたくし立川は会正式発足以前から活動を開始。厚労省、日盲連の竹下義樹会長などに要望し、発足後も会として正式に検討会構成員全員に要望書を送るなどしました。そのかいあってか、翌年2018年の研究には視力視野以外も含めることが決定。また、 2020年度には「羞明等の症状により日常生活に困難を来している方々に対する調査研究」班 発足。その後も継続して眼球使用困難症(PDES)の研究が続いてます。

また、複数あったPDES関連団体も2021年6月に眼球使用困難症候群協会として連合団体が立ち上がりました。今後、行政への陳情活動は協会を中心に行っていきます。

理念

国の決めたことだからと諦めることなく、自分の権利は自分で勝ち取る。そんな理念の仲間達と共に当会代表の立川くるみが先導役となり、全国に運動の波を作ります。病状が悪すぎてとても活動なんてと思われる方もいらっしゃるでしょう。SNSやブログでの発信、マスコミに働きかける、視覚障害者団体に相談、寄付金での支援。主治医に宣伝。これも立派な活動です。すでに一部の仲間達が立ち上がっています。

「誰かがきっとやってくれる」?いいえ、自分が立ち上がらなければ何も変わりません。

自分の行動は必ず社会に影響を与えます。やってもやらなくてもその影響は必ず発生するのです。
自分と大切な仲間達を守ため、是非、ともに立ち上がってください!

目標・作戦

当面の目標は眼球使用困難症(PDES)の障害者手帳・年金・その他社会的支援の獲得です。調査・研究班が立ち上がったとはいえ、まだまだ世間に知られていない眼球使用困難症。今後、いかにこの名前と実態が世間に広まるかが重要になってきます。なかでも眼科医、視覚障害者団体への周知と理解は必須です。

特に視覚障害者団体をまとめる日視連から国に対して要望を上げていくことが重要であり、そのためには日視連所属団体にPDES当事者が相談・入会していく必要があります。

よって、当会は同障害の者同士だけでコミュニティを作るよりは地元の視覚障害者協会に積極的にアプローチしていくことやツイッター等で一般視覚障害者とも交流していくことを推奨しています。

といっても、当事者同士のコミュニティもあり、その紹介も当サイトに記載しています。

さあ、みなさん!私とともに、いえ、できる方はどんどん前に行き、運動の波を作っていきましょう!支援者のみなさん、どうか、私ども眼球使用困難症患者に力を貸してください!

入会は無料メルマガ登録を持って成立です。現在会員数約150名(2024年3月15日現在)。発言力を強めるためにも人数が必要です。このプロジェクトにご賛同くださる方、ぜひご入会をお願いします!
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代表 立川くるみ

本文ここまで

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